竪穴住居跡や掘立柱建物跡、お墓などで構成される集落遺跡、信仰遺跡(寺院跡や祭祀遺構など)、生産遺跡(窯や工房など)、耕作地(水田・畑)、道路遺構など、過去の土地利用の痕跡を「遺跡」といい、遺跡保護のために実施する学術調査のほか、開発で破壊を免れない場合に行われる緊急調査などの発掘調査を実施しています。
発掘調査では旧石器時代から現代に至る先祖の生活や営み、土地利用の変化などを明らかにするため、遺物の出土状況に留意しながら竪穴住居や柱穴などを掘り下げ、遺構図面や遺物出土状況を記録するとともに、発掘調査後は資料を水洗し、出土遺物の実測図を作成、図版化して、後世に永く記録を残すための発掘調査報告書を作成します。
遺跡から出土した文化財は、脆弱なものが多く、そのまま放置すると形状が失われてしまいます。これらの文化財をより良い状態で後世に伝えるため、X線透過装置や蛍光X線分析装置などの分析機器を使って状態や材質を調査して、保存処置をしています。
出土した木製品は、内部の組織が壊れて多くの水分を含みます。そのまま乾燥させると収縮や変形がおきるため、内部の水分を安定的な樹脂等に置き換えて形を維持する保存処置を行います。
金属製品の保存修復では、腐食の進行を抑制するために保存処置により化学的に安定化させます。また、必要に応じて形状や文様を明らかにし、資料が持つ情報を引き出し、文化財の研究や活用につなげています。
文化財の分析では、遺跡の堆積物中から火山灰(テフラ)を検出するテフラ分析や土器中に含まれる岩石鉱物に注目した胎土分析を行っています。
遺跡の堆積物中から検出されるテフラは、堆積物の時代を決定する指標になります。
土器は、粘土や砂などを原料にして作られています。日本列島には複雑な地質が分布していることから、含まれる粒子の特徴を調べることで原料の産地や土器の製作地を推定することができます。その結果からは、古い時代における人の移動や交流、ものの生産や流通などが見えてきます。
2023年3月 / A4判 / 総8頁 【ダウンロード】
2011年 / A4判 / 総140頁
岩田書院発行
宮澤 公雄編 / 研究集会報告集1
櫛原 功一編 / 研究集会報告集2
平野 修編 / 研究集会報告集3
畑 大介編 / 研究集会報告集4
2003古代考古学フォーラム『古代の社会と環境』
柳田国男生誕130年・山梨県博開館記念シンポジウム
研究所友の会では年4回程度、山梨県内外の博物館、遺跡、寺院、史跡、文化財等を視察する研修会を実施しています。
また当研究所の研究所報の配布(年4回程度発行)、研究所主催の研究会やその他催し物のご案内を随時させていただきます。